地上に昇れば

車のヘッドライトとテールランプが
軌跡を描く、復車線の大きな道




地下には星が、あんなにあったのに
本当の夜空の下にはビルと森


今にも消えそうな粒しか見えない




「 …… ああ だからか 」


「  ―― ん? 」


「 ビジネスマンやら官職やら
お固い仕事の奴らしか来ない様な駅に
あんなキレイな道とかさ…


… 渋谷や原宿やらに作れば
いい観光地ってか、
デートスポットになるだろなって

でも 」


「 あは  うん
だって、皆 ――――


あ、淳  こっち曲がろう? 」



ビルの谷間の横道に入ると
途端に、風が変わる ―――――