玄関から出て行った真木を追おうと
勢いよく振り向いたアドリアナ


部屋の入口を塞いだのは
微笑むハルトの腕と、
キューのカンヌキ ――




「 キミは…これを直してくれないかな

――――― お嬢さん? 」




横に握られたキューは
ギリギリと壁にアドリアナを圧し

胸元には
彼女が痛めてしまったワンピース


「 … う… 」


「 やめろよハルト!!!! 」

「 ―― キミがルウを
階段から突き落とした理由さ…

"コピー"であるべきルウの方が
"本体"より覚えが早くて…

そっちに教育係の情熱が
傾いて行ったからなんだろう? 」


「 ……イタ…!はなして!! 」


「 ―― 本来ならさあ…

俺はキミの事
同じ目に合わせてやってもいいんだ

でもルウはおまえの事、一切言わない

だから見逃してやってる


… 一言でもルウの口から
お前への恨み事が漏れたら
それが俺を動かす呪文だ


―――― よく覚えておけ 」