「 ――― クウヤ 」


「  お? 」


ハルトの投げたそれを
真木は片手でキャッチする


「 … 番号は
ひとつだけしか入ってない

本当に困ったら電話して
ワン切りでもいい 」


「 ―――… おお
っつか、怖ええなオイ 」



「 よく判ったね
… ルウに何かあったら
お前ら全員ふっ飛ばす、起爆スイッチ 」


「 ―― オメエが言うと
シャレになんねえって
前も言わなかったか? 」


「 そうだっけ? …忘れちゃったな 」




その時コツリと、ヒールの音 ――――




「 …アズ どうかした、の…? 」


不安そうに、手を口元
カーテン代わりの布を
片手で押さえるアドリアナ


「 おお ちょっとな

――… 少し時期のズレた
反抗期かもしれねえぞ これ 」


「 ………… 」


「 んじゃ 行って来るわ!
アナ、迎えに来るから待ってろよ 」


「 ―― え
クウヤどこか行くの?! 私も…!!」


「  待て  」