掃除が終わって帰ってきて 棚の後ろでひぃと喋ってたら 市瀬がこっち見てニヤニヤ していた。 私は市瀬から目をそらした。 そしたら市瀬が 私に向かってこういった。 「なぁ」 「何?」 「お前、三村 浩介って 知ってるか?」 …え…… … 私はその名前が出された時点で 市瀬が何を知っているのか すべてを悟った。 「…え」 市瀬は笑っているばかり。 あのこと…知ってるんだ。 私はその場で大泣きした。