私の席は窓側の左側。
私の左隣には大好きな鳩。
私の右隣には 市瀬 孤太(いちのせ こた)。
今は理科の時間。
本当なら静かで鳩の「クルックー」と
鳴き声が聞こえるはず。
でも隣で鳩ではない方が騒いでいる。
「おい」
何?
うるさくて鳩の鳴き声が
聞こえないじゃないか。
「お前のノートが俺の机に入ってるんだけど」
そう言って市瀬は私の机に
ノートを戻した。
いや、投げた。
「別にいいでしょ♪」
私は市瀬の机にわざとらしく
ノートをはみ出させた。
「はぁ!?何言ってんだし!」
そして市瀬はノートを戻…投げた。
「ねー、ノート落ちたんだけどー」
「知らん。次入ったらここまで俺の机ねー♪」
市瀬は私の机を指差して言った。