「ただいま。」


明け方家に帰り玄関でぽつりと呟く。


帰ってくるのは「おかえり」でも「どこいってたの」でもなく、虚しく響く母親のいびきだけ。



部屋に入ると散らかった洋服に靴、ぐちゃぐちゃになった読んでもいない学校からのお知らせのプリント



リビングのソファーで化粧も落とさずアルコールの匂いをぷんぷんさせて眠っているのは私の母親。




小さくため息をつき、リビングを少し片付け自分の部屋にもどる。



まだ少し痛む腰と少しの罪悪感を抱えて眠りにつく。