「もしかして、潤さんの妹?」


私が自分の名前を言うと必ずこう返ってくる。


この町で、私の兄はちょっとした有名人。



神谷 光(カミヤ ヒカリ)、高校2年生。


この小さな田舎町で強面の父と派手な母、

有名人の兄と平凡な私の4人暮らし。



『潤くん、仕事間に合わなくなるよ?』


私の1日は兄の潤くんを起こす事から始まる。


「…後5分。」

『ダメー。潤くん、早く起きてよー!』


朝が苦手な潤くんは中々起きてくれない。


何度も何度も声をかけないと、いつまでも寝ている。