「ここよ」

―――美憂が
暮らしているホテルは。


ここら辺でも、
最高ランクのホテルだった。


「中まで送る」

「…………ありがとう。でもいい
わ。もう大丈夫よ」

「いいから、行くぞ。それとも何
だ?今日来るのか?その男」

「今日は来ないわ。彼今、アメリ
カに出張中だから」

「……だったら、送らせて」

「…………相変わらず、優しいわ
ね。…………京は」

「そうか?」

「そうよ」

…………何かわかんねぇけど、

今美憂を1人にしちゃ
いけねぇ気がして仕方ねぇ。


美憂に特別な感情があるわけじゃ
ねぇんだけど。


今はほっといたらダメだ。


…………そんな気が…。