「俺だって、来るつもりはなかっ
た。真に無理矢理連れて来られた
んだよ」

「…………そう。まだ仲良かった
のね。あなたたち」

「まぁ…同じ会社だからな」

「…………そっか。真は京のコネ
入社だっけ?」

「あぁ」

何が楽しいのか、
クスクス笑いながら話す美憂。


…………完全に酔ってやがる。






「美憂」

「…………何?」

まだ酒を飲もうと伸ばした手を、
俺は反射的に掴んで制した。


「もうそれ以上は飲むな」

“もう十分ずぎるほど
酒が回ってるんだから、
これ以上飲むな”


そう言ったら美憂はまた笑って、

「…………なんか…京、彼氏みた
いね」

そう言ってグラスに伸ばした手を
引っ込めた。