法学部に通って、アパレルの販売員?法学、関係ないじゃん!

合コンで出会った超エリート大学に通う男の子の言葉が心にチクリと刺さる。
彼は経済学部に在籍していて、
第一志望の大手商社から内定を貰ったらしい。

大学で学んだマーケティングをビジネスで生かすことが、
そんなに偉いものなのか。

思いつく限りの汚い言葉を浴びせてやりたいけれど、
結果だけ見たら事実。
何も言い返せない。
悔しい。

今日の合コンは完全にハズレくじ。
大手商社から内定を貰った彼に会うのも今日が最初で最後。
企画してくれた子の顔を立てて、
中座することはせず、笑顔でいることに徹する。
この場で酔えないならば、
家に帰って、一人で飲み直せばいい。

駅からアパートまでの間で、
安い缶チューハイと少し高めのティラミスを買う。
甘ったるい缶チューハイは、安っぽい自分みたい。

でも、
ブランデーとコーヒーの香りが絡み合うティラミスは、大人の女性の味。

学生生活もあと数ヶ月。
けれども、私が大人の女性になれる日は、まだまだ遠い。