今更ながら、
英語くらい勉強しておくべきだったかなと思う。
だけど、英語を最後に勉強したのはいつだっただろう。
今では大学受験レベルの英語も怪しい。

だからといって、
出来ないと解っている実力を思い知ることはしたくない。
思い知ったところで、落ち込む私が目に見える。
そんなことを考えていると、
ますます英語に手が伸びなくなる。

企業が厳しいならば、公務員を目指せばいい。
だけど、公務員を狙っている子が、
公務員試験の予備校に通い始めて長いことを知っている。
本気で取り組む子の準備は抜かりがない。
今更始めたところで、敵うはずがない。
公務員の選択肢は、一瞬で消えた。

さくさくっと終わらせるはずだった就職活動は、
結局、4年の冬まで響いた。
長かった。
本当に苦しかった。
それでも、なんとか東京で正社員の職を得ることができた。

アパレル関係の販売員。

不本意じゃないといえば、嘘になる。
でも、母に電話をかけ、内定が出た報告をすると、
母が電話の向こうで鼻を啜る音が聞こえた。

母が喜んでくれた。

これでよいのだ。
私が感じる「不本意」なんて、気のせいだ。