「…や。桜宮!!」
「Σ!!うぉあはいぃっ!!」
勢いよく立ちあがったあたしに視線が集中する。
続いて笑い声も。
「何、寝てるんだ…」
呆れたように言う日本史担当の中島先生にごめんねと舌を出して謝る。
「ばーか」
「ぁだっ!!」
席に着きながらシャーペンの先をあたしのおでこにたたきつけたのは葉山はるか。
あたしの親友のなかの親友。
「単位やばいんじゃないのー?」
笑いながら右隣の山本綾人にこづかれる。
「…わかってるよ」
ぶつくさ文句を言いながら返事するあたし。
「まぁ言うて成績はえぇもんなひかるは」
左隣から声をかけてきたのは咲山優斗。
「涎たらして寝てんじゃねーよ。つうか寝言ww」
「綾人それは禁句だって!」
言いながら笑いを隠せてないはるかをあたしは上目づかいで見上げた。
「なんて言ってたー?」
「ひーくん~だって」
またか…と思う。