「俺の言葉が足りなくて、きっと沙絢さん苦しめたよね?ごめん……」



紫音はそう言って、私の泪を唇で拭き取ると、唇に優しくキスを落とした。



「自分で、分からなかったんだ。天音には感じたことはない…この人を、自分の力で満たしてあげたいなって思いは、なんなんだろうって。

初めて知った快感に溺れているだけなのか。

それが好きって…そういう気持ちなのか、分からなくて」



「紫音…それじゃあ……」



「俺、どこか無邪気で、自分と同い年なんじゃないかなって思うくらい、子どもっぽい沙絢さんが好き。無理して大人ぶってる沙絢さんが、俺の前で子どもみたいになると、すごく守りたくなる」