「俺の?」 紫音の心臓が、ドクドク音を立てているのが分かる。 紫音の心臓と一緒に、私の躰も、一緒に揺れているような間隔になった。 「紫音から、もう雨の日に逢いに来ないって言われたとき…すごく辛かった」 「沙絢さん……」 「寂しいから、二人で躰を重ねた。だから、紫音の言うとおり、お互い相手のことを忘れることが出来たのなら、それが正しいと思う。 だから、言えなかったの。 私は、寂しくなくても、紫音が欲しいって……」