ドアのすりガラスの向こうに、紫音が見えた。



「紫音…私……」



「っ!沙絢さん!?」



紫音も声だけで分かってくれたのが、たまらなく嬉しかった。

扉が開かれて、私と紫音は、久しぶりに明るい場所で顔を合わせた。


私は紫音を見た瞬間、胸が高鳴って、耐えきれなかった分が、泪になって溢れてきた。