『神崎 壱に会うまで、あの人を知らなかったのかってこと!』

「ぁ、あー!」

『どう?理解できた?』

「うん。だけど…知らなかったよ?だって、お話で壱くんのこと出てなかったし?」

『まぁね…あたしも、敢えて話題に出さなかったし…。』

「??」


何か難しそうな顔をした美鈴ちゃん。

ど、どうしたのっ…?


『ま、いいや。…ぁ、神崎 壱っていうのはね、学校の中で一番有名な人なの!』

「ほぇ~!すごーい!」


壱くん、有名人なんだ!


『一年生にしてあの美貌!頭もいいし、運動もトップクラスなのに、本人はやる気ゼロで…。体育会の時も、走ってくれなかったし。』

「そう…なんだ…?」


私は頑張って走ったのに…。

100メートル走だけど。

ビリだったけど…!!