――ガララッ

『『………』』


私が教室に入った瞬間、教室が静まりかえった。


『……ぃ、イブ…?』


そのなかで、口を開いたのは友達の美鈴(ミレイ)ちゃん。

小学校から仲良しの親友です。


「みれ――っ」

『いぶは俺の。』

「んぬっ…!?」


美鈴ちゃんに近付こうとすると、すばやくお腹に回された壱くんの腕で逆戻り。

その光景を見た皆は、驚いて私たちをガン見している。


『…だからいぶには近づかないでね……?特に男。少しでもいぶの周りをうろついたら……、…殺しちゃうよ…?』

『『!!!』』

「………?」


クラス一同、壱くんの殺気篭った言葉に固まる。

壱くんに後ろから抱き締められている私は状況が理解できず目をパチパチ。

クラスの皆が、“神崎 壱に近付いたら危険だ”と感じた瞬間だった。