『俺が呼んだらすぐ来るんだよ。分かった?』
「……ぇ、ぁ…」
『いぶ?』
「…あい…」
まだ壱くんが言った言葉の理解が出来ないまま返事をしたせいか、“はい”を“あい”といい違えてしまった。
ぅう、恥ずかしい…っ
『ん、いい仔。』
「……っ」
羞恥心に赤くなっていると、壱くんに頭をなでなでされた。
手…おっきい……
――キーンコーンカーンコーン…
「!」
そんな時、7時限目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
『タイムオーバー…かな。送るよ、教室に。何組?』
「……は、ち…」
『ん…。じゃ、行こ…。』
壱くんが立ち上がったのを見て、私もベンチから立ち上がったのだった。