学校が終わって来たときは明るかった外が暗くなり始めたころ



「そろそろ帰るね」


私は帰ることを口にしました。
携帯は家にあるし、あまり遅くなると親を心配させるからいつまでもここには、居られないのです。



「もう帰るの?早くない?」


「だって・・・親に連絡してないし、もう7時だよ?学校帰りまっすぐ来たからそろそろ親も心配する・・・」


「なに?ユキの親ってそんなに過保護なの?」


「過保護?・・・・普通じゃないのかな?」


アユの質問の意味が分かりませんでした。
なかなか帰って来ない娘を心配しない親は、居ないのではないか?


それが普通だと私の中で、感じていたし周りの人もそう思ってると思っていました。


「普通?・・・・じゃないでしょ。うちの親なんて、うちのこと心配したことないよ?
2日家に帰って来ないが、1週間帰って来ないが・・・
連絡なんて入れなくても平気っしょ?」



これが普通だと言わんばかりに話すアユを見て、私がおかしいと感じるよりはアユの方が違うのではないか・・・?


と感じました。


「おいアユ、お前の普通はみんなの普通ちゃうで。ユキの方が普通や」


「そうなの?そっか・・・・」



私の感じていたことは正しかったようで、それはハヤトが教えてくれました。
ハヤトは、私の求めていることが分かるのでしょうか?


「うん。ごめんね?また来て一緒にやろ?」


「うん!やろ?いつでも来てよ」


「うん」


自分の家のように言ったアユは、可愛らしい笑顔で笑いかけてくれました。
また・・・という言葉を言ってしまった限り、また来なければならない。


それは、嫌ではなかったです。
けど、親しくなるにつれこの人達とどこか壁を感じてしまいました。