琴那は、また口を開いた。

「それと、小5から高校のときまで、イジメられてたんだ」

「そのこと、辛いと思うけど、詳しく教えて?」

緋波が言った。

「高校のときは、部活でなんだけど、陰口叩かれたり、殴られたり、突き飛ばされたりしたんだ…。それで集団が苦手になったし、1人が怖くなった…。そして、人をなかなか信じることができなくなって、みんなが優しいと思えなくなったんだ…」

4人の、琴那の話を聞く眼差し。琴那は話し続けた。

「中学のときは、大したことなかったんだけど、何もしてないのに『謝れ』って言われた。そして、小学校のとき、真似したことを気に食わないと言っていた人に、『謝れ』と言われて、そんなつもりじゃないから嘘の手紙を書いた…。で、誰にでも話しかけるのが怖くなった…」