「だから、こうだろ? そんで、そのあと、こうすれば……ホラ、簡単だろ? これならサルでもできる」


王子はそれこそ“手取り足取り”ってくらいに丁寧にレクチャーしてくれてたんだけど、あたしは今それどころじゃない、って感じ。

だって、王子のカラダが、あたしのカラダにくっつきそうなくらいに急接近してくるもんだから…、



「…!」



あたしはドキッとして、一気に全身の血液が頭のてっぺんにまで昇ってくるような気がして、耳まで熱くなるのを感じていた。

こーして、お互いの息づかいが聞こえてきそうなくらいの距離で一緒に並んでみると、あらためて王子の背が高いのが分かる。


もっとも、それはあたしの身長が144センチしかないせいもあるんだろうけど、なんかまるで大人と子どもが並んでるみたい。



「よし。これでひととおりのことは教えたから、あとは本番あるのみってヤツだな」

「う、うん……」