「じゃあ、あたしは二代目のメイドなんだ?」
「そーいうことになるな」
「どぅ? 王子、あたしのメイド姿を見て“萌え~っ”とか思う?」
あたしは両手をグーにして口の前で合わせると、ちょっと小首をかしげて、目を思いっきりウルウルさせながら王子のことを熱いまなざしでじぃっと見つめた。
すると……、
「…!」
王子はほっぺたを真っ赤にして恥ずかしそうにあたしから目をそらして、こう言った…、
「そ、そーだな。意外と萌え~って感じかな」
…って。
「“意外と”は余計だよ」
「はいはい。カッコだけは一応それなりにまとまったから、今度は実際のお仕事の内容のほうも覚えてもらうとするか」
「ハ~イ♪」
王子から、まず接客の基本をレクチャーしてもらったあたしは、続いてレジの機械の操作方法を教えてもらうことになった。