「おう」

履歴書を受け取って目を通す王子。

「へぇ、高校1年の16歳か…」

「王子は何歳なの?」

「あのさー、俺のこと“王子”って呼ぶの、辞めてくれる? 俺の名前は凱! 凱旋門の“凱”」

「うん、分かった。で、王子は何歳なの?」

「…つーか分かってねぇじゃん! …ま、いっか。俺は18」


「へぇ、あたしより2コ上か……」

なんか年齢的にもちょうどいいバランスって感じがする♪


「ふぅん……」

あたしが一人でいろいろ思ってる間も履歴書を読み続けている王子。


もしかして……、


もしかして、あたしが洋菓子店『王様のショコラ』本部の社長令嬢だってことが、今回のバイトの採用に悪い影響を与えたりとかしちゃうのかな…?

だって王子にとってあたしは、ちょうど会社の上司の娘みたいなポジションじゃん?