“かわいい子には旅をさせろ”って。


だったら、あたしのことも、

“かわいい娘には冒険をさせろ”ってーの!



早速、コンビニに行って履歴書を買ったあたしは、一気にソレを書きあげると、一路『王様のショコラ』を目指して出掛けた。

でも何度も道に迷いながらようやくにお店にたどり着いたのに、王子は仕事がすごく忙しそうで、休憩時間になってやっと話をすることができたのは、お店についてから30分以上が経ったときだった――――


「はい、コレ持ってきたよ♪」

お店の裏で履歴書の封筒を差し出したあたし。

「おっ、早いな。まさか、その日のうちに持ってくるとは思わなかったぜ」

「”善は急げ”っていうじゃん」

「そーいや、さっき言い忘れたんだけど、今回のバイトは、今月末までの短期のバイトだけどそれでもオッケー?」

「うん♪」

あたしはまるで純粋無垢な小さい子どもがするような、すごくいいお返事をした♪

「はい、履歴書♪」