まだ、胸は一定のリズムを保ち跳ねていた。
彼の存在は、私の今後を大きく変えるような気がした。

先生が今日の日程を軽く話して一時間目の前の休み時間が来た。

「ユイ、遅刻なんて珍しいね」

「なっちゃん」

なっちゃんこと、夏希ちゃん。
少し癖のかかったショートヘアで、男女分け隔てなく接するため常に人が寄ってくる人気者な、私の親友。

「登校中に色々あって」

「へえ。声でもかけられた?」

「うん。高校生に…」