「……って、真絋どうした?」

ずっと眉にしわをよせ、固まっていた真絋先輩。
気分が良くないんだろうか、と思っていたら口をやっと開いた。

「なんて呼ぼうか迷って」

「お前は乙女かっ!」

「あ、唯那で構いませんよ」
「全く〜。ユイちゃんごめんね? コイツ、気に入った奴としか絡まないから女の子の接し方知らないからさー」

まるで自分のことのようにペラペラと話し、何度も真絋先輩の背中を叩く。
若干痛そう……。

あれ。
でも、私には真絋先輩から話しかけてきたけど……。
難しい。

ふと、真絋先輩の方を見上げると若干頬が赤く染まっていた。