「セリーヌって…周り見えてるのかな…」
「多分、見えてないと思いますです
見えてたら、気づくはずですし」
「確かにそうだね~…自分に酔って周り見えて無いんだろーなぁ~」

周りが見えていたら、今みたいな状態になっていない
更に言えば、あんな性格にもなっていないような気もする
そんな話しをしながら、ユリンの案内について行く

「♪~~♪♪~」
「リーナ、随分機嫌が良いな…何か良いことでもあったのか?」
「あ、ルー君!そーなのよ~♪ユウがいたからノートの説明をユウにしてもらおうと思ってね~、やらなかったらなかったんだ~
そしたら、やっぱちゃんとユウがやってくれてたんだよ~♪」
「はぁ…お前なぁ…」

廊下をスキップしているリーナに声をかけると、返答はコレだ
ルーフェルは呆れて、額を手で押さえる
ユウにやるように仕向けたのだから、教室を出て遠くから千里眼を使って見ていたのだろう
少し批判的な目でリーナを見たが、本人は気にしていない
ルーフェルはため息をついて、少しDクラスを哀れに思ったのだった

「ココが図書室です!」
「うわぁ~…凄い…」

図書室のドアを開けて入ったユウの最初の一言
この部屋は凄い…としか言いようが無かった
丸い形をしている図書室
天井は遥か上らしく…暗闇が邪魔して見えない
本棚も壁に沿って高々と上に続いている
光りを取り込む窓と出入口以外の壁という壁は本棚になっていた
そして、勉強スペースとなっているところには机が置かれており、それ以外は壁と同じく高い本棚が所狭しと並んでいる

「はぁ~…勉強なんて嫌いだぁぁぁ~」
「や、ライナはまだ勉強すらしてないと思うよ」

席についた途端、そんな事を言って机に突っ伏すライナにユウが一言
実際、授業に参加していたかどうかも不明だ
ただ、授業をしていた空間にいただけなようにも思える
授業中にしていた事と言えば、突っ伏しているだけだ

「ほら、見せてあげるから、ちゃんと自分で書いてよ」

ユウはライナの目の前に自分のノートを差し出す
気が進まないながらも、しぶしぶ受け取るライナ
ユリンはユウの前の席で、せっせと先ほどの続きをしている
その様子を見て、ライナもやっとノートと筆記用具を出して手を動かし始める