「ちょっと！！アナタを呼んでるんですのよ！」

わざわざユウの視界に入るところに移動して、仁王立ちし直したセリーヌ
セリーヌのうるさい声に、ライナは不機嫌に起き上がる
しかし、言い返したりする程には回復していないようだ
セリーヌを睨みつけているだけだった…もちろん、セリーヌは気づかないわけだが…
ユリンはハラハラしながら、ユウを心配そうに見つめている

「僕に何の用？？」
「用はありませんわ！」
（じゃあ、呼ばないで欲しいんだけどなぁ…）
「さっきの講座…ふざけていますの！？あぁいう事は、この私がやることですわ！」
「（用あるじゃん…なるほど、僕が自分以上に目立つのが嫌なんだね）
じゃあ、君がすれば良いじゃん…僕より分かりやすく教えられるんでしょ？」
「ふん！当たり前ですわ！皆も私の説明を心待ちにしていますのよ！
それなのにアナタが余計な事をしましたのよ！」
（（（（（いや、それは無い）））））

あまりに自信満々に言うセリーヌに、ユウは呆れ顔になるユウ
先ほどの授業で、ノートを見てるだけだった彼女に説明出来るはずが無いのは分かっていた
なのに何故ココまで自身満々でいられるのだろう…不思議で仕方がない
そんな２人を見守るクラスメイト全員の心は一致していた
そして、セリーヌの説明が始まりそうな流れになってきたため、クラスメイトは少しずつ減ってくる
そんな事に気づかずセリーヌは意気揚々と黒板の近くに立つ

「これから、この私の講座を始めますわ」

そう嬉しそうに宣言したセリーヌを見て、ユウはユリンとライナに声をかける

「ココじゃ、落ち着いて出来ないみたいだからさ、場所移動しよ？
図書室とかあれば良いんだけど…」
「あ！ありますですよ！」
「それじゃ、行こう」

未だ本調子じゃないライナを連れ、３人は教室を出た
相談している間に、皆は出て行ったらしい…一番最後だった

「ノートというのは、私のような人が使う物なのですよ！」
（何でだよ！）

一人教室に残り、気分良さそうに話しているセリーヌに心でツッコむユウ
というか、何故彼女は誰も居ない教室に気づかずに説明を続けられるのだろう