「じゃ、皆ノートと筆箱出して…それから、教科書3ページを開いて」

皆教科書を開き、リーナが黒板に書いていくことを、何となく写していく
ユウはその様子を見つつ、首を傾げたがノートをとる

(…皆ノート使うの初めてなんだよね?ノートの書き方とか教えないのかな…)
「魔力って言うのはね、無限にあるものじゃないの…それぞれ魔力の最大値があるわ
最大値はそれぞれで違うのはもちろん、魔法を使う時に使う魔力使用量もそれぞれ
例えば、飛行に使う魔力…ある人は魔力10使って飛べる…ある人は20使って飛べる…みたいに差があるわ
魔力使用量は、熟練度を上げれば少なく出来るから、頑張って特訓すれば使用量を減らせるわ
けれど、決して0にはならないからね
使用量を下げれば、最大値が少なくても色々な魔法を立て続けに使う事が出来るわ
また、最大値も魔法を使っていくことによって、増えていくわ
ただ、無限には上がらない…それぞれに限界があるわ…ココ重要よ」

リーナは黒板の文字に下線を引いて、重要性を知らせる
必死にノートを取る子もいれば、聞いているだけの子もいる
ユウは教室の様子を見つつ、横も見る
横では、ライナが突っ伏していた
ノートをとることも諦め、考えることも諦め…全てを放棄しているようだ

「はい、今日の授業はココまで!
時間ピッタリだし…今日はもうお終いにしましょう
それじゃ、皆気をつけて帰るのよ~」

そう言ってリーナが出て行くと、皆がザワザワと話しを始める
慣れない授業に疲れているらしく、ゆっくりしてから帰るつもりなのだろう
実際…

「…ライナはしばらく動けそうにないね…」

全てを放棄したはずなのに、なぜか一番疲れているライナ
不思議で仕方がないが、ココはそっとしておこう
そこへ、ユリンがやって来た

「ふぅ~難しかったですねぇ~…ノートという物の使い方もイマイチですし~」
「あ~…皆ノート使うの初めてなんだよね…何で使い方教えてくれなかったんだろう…」
「ですねぇ~…あ!ユウちゃんは使ったことあるんでしたよね!?」

ユリンは、ハッと気づいてバンッと勢い良く机に手をつき、ユウの方へ身を乗り出す
その勢いに驚き、若干後ろに下がったユウは、遠慮がちに頷く