「ん???」

ユウがその泡の様子を見ていると、ユウの方に向かってやってくる
最終的にユウは泡に覆い尽くされる

「コレって…石鹸の泡??」

目の前に泡があるのに目が痛くならないのは、エアの魔法の効果の一つか…
ひとまず、ユウは泡がどうするのか分からず様子を見る

「あ、自動で洗ってくれてるんだ!」

泡が洗ってくれている事に気づいた頃には、泡は消えてなくなっていた

「へぇ~、これで終わったんだ」

バチャっとお湯から出る
そして、脱衣所に向かう

「タオルってあったかなぁ~」

脱衣所の中を思い出し、タオルの存在を探してみが、見た覚えが無い
まぁ、探せば良いかな…と思って、ドアに手を伸ばすと、見えない壁に阻まれる

「え…?風?」

反射的に手を引っ込めたが、壁に触れた瞬間風の流れを感じた
何で風の壁が…と考えているとユウの体が宙へ浮く

「わ!?!な、何!?!」

慌ててジタバタしてみるが、落ちることは無かった
少し落ち着いて考えると、風を周りに感じられる事から、今は風の中にいると考えられる
少しの間、中に浮くとストンと降りる事が出来た

「あ、なるほど、乾かしてくれたんだ」

先ほどまで濡れていた髪が乾いてる事に気付き、先ほどの風の意味を知る
そうして、風呂場を後にする

(お風呂がココまで凄いとは、思いもしなかったなぁ…)

驚く事が多すぎて、少し疲れを感じながら廊下を歩いていた
リビングに入ると、ニコニコ笑顔のルイがいた
ディールは、新聞を読んでいる

「どうだった?」
「驚いたよ…まさか、お湯の塊しかないなんてね」
「でしょ~♪」

ユウの感想に満足げな笑みを浮かべるルイ
そんなルイの反応に、ユウは呆れるしかなかった

「そろそろ夕飯出来るから、座ってまっててね~」

そう言い残すと、キッチンの方へ消えていく
必然的に残るのは、ユウとディールの2人
ユウは、何となくディールの見ている新聞を覗き込む

「この世界にも、新聞なんてあるんだね?」
「ん?あぁー、これはこの世界の新聞じゃないよ
向こうの世界の新聞だよ」
「?何で向こうの新聞なんて読んでるの??」
「それはね…向こうの世界の出来事が面白いから…かな」
「そうかな…」

向こうの世界で育ってきたユウからしてみれば、普通であって面白いとは思えない
なので、ディールの言っていることがイマイチ理解出来なかった
ディールは「そのうち分かるさ」と言って、続きを読み始める