二人は何も言わない
「恋が何と言おうとあたしは嫌」
「俺はお前を信じてるからな」
なんでよ
なんで……
「あんな騙された奴らに俺達は負けねぇよ」
「いたっ」
輝に軽く頭をはたかれた
「ほらHR終わるよ!!!」
なんでこんなに優しいの
なんでこんなに私を信じてくれるの
「な…んで……」
「当たり前よ。何年あんたと一緒にいると思ってんの」
「たった三年だよぉぉぉ」
私の目から涙が溢れる
悲しい涙じゃない
温かく嬉しい涙
ほんと三年しか一緒にいない
当たり前だと思っていた友達の存在
今この存在がどんなに大切なのか改めて感じた
「そんな泣くな恋〜」
翠ちゃんが私の髪をくしゃくしゃにしてくる
輝も私の頬を引っ張ってきた
「ひひゃふひひゃい」
「あ?」
分かってるくせに
輝がわざと聞き返してくる
私は涙を拭いて教室への道を歩く
媛ちゃん
貴女の目的は何なの?
それだけ私は聞きたい
貴女は一体
ナニモノナノ?