「……様」
「ん……あと少しや……」
「亜澄様」
「!?」
耳元で低い声で呼ばれあたしは目を覚ました。
「夕方からは会食の予定です」
「はぁ」
朝から会議があり、受け持ってる会社を周り挨拶をして、新しく建設するビルの視察であたしはヘトヘトだった。
「?な、なに?」
「……」
見つめてくる剣さんと真緒さん。
しばらくして二人で話込みはじめている。
「その格好では行けませんので着替えを」
「え!?今、ここで!?」
「ぷっ」
「!」真緒さんが何故か笑いをこらえているがすぐに真顔に戻っていた。
「いえ、お店で着替えて頂きます」
「はぁ……」
一つ疑問に思うことがあった。
仕事の時はこの五人は関西弁を一切使わなかった。
「亜澄様、参りましょう」
「え、あ、はい」
景、美月
「なぁ」
「え?」
「本当にあの亜澄って子が跡継ぎなん?」
「らひぃで……んぐ(らしいで)」
「つまみ食いすんなやー。もうすぐ夕食やってのに」
「今日、会食らしいで?せやから帰ってからは食べへんて剣ちゃんからメールあったで」