「はぁ……」

何だかあたしは正直よくわからなかった。



「……では主に代表の仕事ですが、子会社からの書類に目を通して頂き、次に下請け会社からの書類に捺印して頂き、新しいビルの建設現場の視察、会議などございます。」


「ちょ。ちょっとたんま!!!」


「……はい?」



「あたし全然、知識ないしそんな事、無理やし……」

「……大丈夫でございます。だんだん分かって参りますので」

「それに名字は同じやけど、ここに来たことなんて一度もないし」

「……ご両親はお亡くなりですよね?」


「!?……ま、まぁそうやけど……なんで?」

「お祖父様のお話聞いたことがありますか?」
「いや……ないけど……」
「お祖父様はここの総帥です。」
「は?」


「それやわからんやろと」背の低い男の人が立ち上がった。

「真緒や。ここの第一秘書しとる、お母さん側のお父さんがここの代表やねん。」
「いやお母さんの名字は式…………あ!!?」

あたしは大声をあげて口をパクつかせた。








お母さんの名字は








「式波」