「は?」あたしはその一言しかでなかった。



「あの」
と言う間に亜季さんに案内され席に座らせられた。


「あの、これは一体……おかえりなさいませってなんですか?」

「ほんまに見つかってよかったわぁ!!」

「は?」

「ほんまやなぁ……まさか女やとは思わへんかったけどな」

「失礼やん(笑)屋敷にきてわからんこともあるやろうけど……よろしゅうな」
「……え……あの、はい」

いやいや「はい」やないやろ!待てあたし。
一体この人たちはなんなん?
みんな同じスーツ着て……
スーツには「式」というピンが刺さっている。

「あの……一体なにがなにやら……」
「……そうでしたね。説明せねば理解できませんよね」
「……はいまぁ」

亜季さんちょいちょいイラッとする発言多いんやよな……



「……お願い……します」


「……手っ取り早く言うと式波家の総取締役になっていただくためにここに連れてまいりました……」

「なんか亜季くん真面目」
「うるさい」

ケラケラ笑う美月さんを亜季さんは黙らせた。


「総取締役って社長とか?」

「……ええ式波家は輸入、輸出などの関係会社のトップでございます」