亜澄
「…………でか……」
門を抜け、広い庭を抜けてすぐに大きなお屋敷が見えてきた。
リムジンから降りてあたしは家を見上げた。
「あ、あの、このお屋敷は一体?」
「……こちらへ」
「え……ちょ、ちょっと!!」
とりあえず広い庭に一人でいるのは嫌なので、亜季さんに急いで付いて行く。
「亜季くん遅かったやん」
広い庭からひょっこり顔を出したのは金髪の人だ。
「……帰った。みんな集まってるん?」
「うん。その子が?」
「……ああ。すぐに準備を頼むわ」
亜季さんがそう言うと金髪の人は薔薇の花を抱えて屋敷の中に入って行く。
「今の人は?」
「……後で自己紹介いたしますので、まずは中へどうぞ」
「あ……はい」
扉を開けてくれた亜季さんにあたしは屋敷の中へと入った。
広い玄関に広い天井が広がっていた。
あたしは溜め息がでる
ことも出来ず亜季さんに急かされて大広間へ足を運んだ。
とてつもなく長いテーブルと広い広間に唖然とした。
そこには待っていたかのように、4人の男の人たちがいた。
一斉に立ち上がり
「おかえりなさいませ」
という声が聞こえた。