受付には黒のパリッとしたスーツを召した男の人がいた。



「……シキナミでございます。」
「あ、はい式波……です」

ややこしいな



「……でわ行きましょう。時間がありませんので」
「え!?ちょ……行くってとごにですか!?」
急に腕を引っ張られ黒塗りのリムジンへ乗せられたら。


「……シートベルトを締めてください。すぐに出ます」
「いやいや出ますって?ちょ……あの!!」

何度もドアを開けようとするがロックされていて開かないまま車は発車した。
車の中はとても広く、横にはワインを飲むようなグラスなどが並んでいる。
あたしはリムジンの運転席の方へ歩みよる。

「あの!!あたし今仕事中なんやけど!!?」
「……こちらも仕事でございます。申し遅れました執事兼運転手の亜季と申します」
「亜季さん……?てそうじゃなくて、あたし戻らないといけないんやけど!!!」
「……ご安心ください。お荷物の方は後で届けさせますので」

「届けさせるって……会社の番号知ってるん?」
「ええ。調査済みです。」
「……?」







一体……






なんなん?