「何で…ってか聞いてたの?」
「うん!!」
そんな笑顔で答えられてもね…
「ありえなーい!!盗み聞きは犯罪よっ!!」
「えーー」
「えーじゃないから。」
本当ありえない!!
本当に教師か?
「もう、いい」
そう言って私は教室に戻ろうと歩きはじめた。
「……。」
歩きはじめた?
あれ?進んでない…?
って…
「何すんのよー」
「待ってよ。」
この男が腕を掴んでたので進まなかったみたい。
「は?HR始まっちゃう。」
「いーから。」
よくないわ!!
「ねー俺さ、あんたのこと気に入っちゃった。」
「んな!?」
何を言ってんだコイツは…
「葉月鈴だよね?」
「そぅですけど…」
「俺と付き合わない?」
「無理。」
付き合うってバカじゃないの?
教師と生徒だよ?
禁断の恋ってやつか?
んなの、ありえなーい!!
「うわー即答しなくても…」
「とにかく無理だから!!遊ぶんだったら、どっか他所でやって。」
「ひどいなぁ〜葉月は。」
そう言って私を抱きしめた。
「葉月の無愛想で口が悪いところも大好きだよ〜!!」
「はなして下さい。」
普通生徒に抱きつくか?
他の生徒とかに見られたらどうすんだろう…
「嫌だ。」
「は?意味わかんないから。」
「嫌だ。」
「はなせって言ってんだろ!」
「はなさない。」
ダメだ。言葉が通じない。
「やめて下さ…」
そこまで言うと私の唇に何かが触れた。
あったかいし、柔らかい。
え?南城先生…の唇!?
「何す…っん…」
嫌!変な声でちゃった(泣)
南城先生から離れようと押してみるが、ビクともしない。
「んーんーっ」
ダメだ。
ガリッ
私は南城先生の舌を思いっきり噛んだ。
「…ってぇ」
やっと離してくれた。
「何すんだ…」
「何すんだじゃないわー!!教師のくせにバカじゃないの!?誰かに見られたらどうすんの!?」
本当ありえない。
「見られないって。ここは校舎から見えないとこだしさ。」
「見えないからって、キスすんじゃないわよー!!私のファーストキス返しなさいよ!!」
あ、勢いのあまり言ってしまった。キスしたことないなんて…バカにされる…
「…ごめん。」
南城先生はそれだけ言うと学校に戻って行った。
「何なのよ…キスしといて。」
ちょっとドキドキした。
けど、このことは内緒にしておこう。
「ヤバい。葉月可愛いすぎるから、キスしちゃった。」