元々表情が豊かな方ではないけれど、一哉と出会ってからポーカーフェイスに磨きがかかった気がする。

 愛されていることに違いはないが、その一哉の思いが時々麗子に重たくのしかかってくる。
 何より麗子自身、そこまで一哉を愛しているかと聞かれると、良く分からないのが苦しい。




 一哉を好きだと思う心と、本当に好きなのだろうかという疑念が、いつも麗子の中でシーソーゲームをしている。






 自分から告白したくせに、一哉の愛を素直に受け止められない自分が時々辛かった。





「麗子はさ、オレの事好き?」

「え?」




 BUSHMILSと書かれた重厚なラベルの細長い瓶を手に、一哉がさらりと尋ねた。
 驚いて一哉を見つめる。


 
 一哉がそんなことを聞いてきたのは初めてだった。