「プリント回ったか~。」
今年の3ー3担任、清川ティーチャー。
(彼女なしのアラサー、社会科担当)
先生の中では人気あるし、授業もさりげなく分かりやすい明るい人。
まあ、正直担任なんて誰でも良かったし…。
そんなことを思いながら先ほど初めて座った窓側の座席から外を眺める。
あ──桜、舞ってる。
美しい親友との登校時間にも見たはずの春では珍しくもない光景。
なのに、私はそれを見て胸がつままれるような、小さく高鳴るような、不思議な違和感を覚えた。
「じゃあさっそくだけど、
新しい班で清掃をやるから
場所確認して各自移動してください。」
「気をつけ、礼。」