なかなか自分のクラスに行く気分にならなくて2組の前でユリの姿を眺める。



もうちょっと寂しがってくれたって良いのにさ…。



少しふてくされながらも、だんだん人が増えてきた廊下を歩き出す。


それにしても…スゴくいい天気だな。


私は窓から見える青空に視線を向けながら3組の教室に入った。



「ぅわっ!」

「ぎゃっ…ご、ゴメン!」



教室に入った途端、誰かにぶつかってしまった。


反射的に謝って、衝撃で閉じた目を恐る恐る開くと、ぶつかった人物の名前はいとも簡単に思い浮かべることが出来た。



「和真…。」

「なんだ、鈴原か。」

「もしかして…3組?」

「うん。」

「そっか、よろしくね!」



私は和真に笑顔を向けると、座席表の貼ってある黒板に足を向けた。


上野 和真(うえの かずま)。

小学校から一緒で、中学では1年生の時だけ同じクラスだった。

仲が悪いわけでもなく良いわけでもなく、いたって普通の関係。