「やっぱり梅より桜の方が好きだなぁ。可愛いっていうか…癒される!」


親友は、私の呼び掛けとは全くもって関係のない返答をしてきた。


まぁ美しいから許そう。たとえ私を無視したとしても…!



「ユリさん、桜も良いですけど、始業式が待ってるんですよ?」

「あっ、そうだったね。行きましょうか。」



あぁ、思い出す仕草さえ美しい!


私は歩き出したユリの後を追いかけながら、美しいユリと離れてしまうかもしれないクラス替えを恨んだ。


大丈夫だ!私たちには絆がありますから!


期待と不安を持った私を待ちくたびれたような、真っ白の校舎が見えてくる。





今日から私、鈴原 カナは中学3年生。


決意新たに羽ばたきます!