春───。


私は中学3年生。


つまり受験生という地獄の年。


「ユリ、春休みってあっという間だね…。」


私は桜の木の下で隣に居る親友のユリに向かって呟いた──


はずなのに、ユリからは何も答えが帰ってこない。


無視か?無視なのか!?酷いぞ親友!


私がユリが居るであろう右隣に視線を移すと…。


あらまぁ、どこの女優さんかしら?


と思うほど綺麗に桜と戯れる親友の姿が。