いつの間にか終わっていた先生の話は、意識が飛んでいた私の耳にも頭にもまったく入っていなくて、自然に行動を始める新しいクラスメートを見て若干焦る。


清掃、するんだっけ?


とりあえずみんなが見ている清掃場所をまとめたプリントに近づく。




「…見えないし。」




身長がそんなに高くない私には、人がたくさん群がってるプリントは遠く見えて、人を押し退けてまで目に入れたいとは思えなかった。


私、バーゲンとか特売でも絶対勝てないな…。


ほとんど諦めて人が引くのを待っていると、群れの中心から大きい声が聞こえてきた。