部屋を飛び出そうとすると、ドアが勝手に勢いよく閉まった。


後ろを振り返ると、フレンが立ち上がりまっすぐ蒼を見つめていた。


「あおに手出ししたら許さない!」


そのフレンの足に千鶴がしがみつく。


「ちづ!」


美津子は蒼とフレンの間に立って、両手を広げて壁を作った。


「あおに指一本…出させないから!」


「みっつん!」


「私たち決めたの。後悔したくないから! あおを守るって!!」


絞り出して叫ぶ美津子の足は、立つのもやっとはほど震えていた。