家に帰って、あたしはリビングに行く。


「おかえり、どこ行ってたの?」


ソファーに座ってたお母さんが聞いてきた。


お兄ちゃん、言わないでいてくれたんだ…


「散歩」


あたしはそう言って二階に行った。


お兄ちゃんがあたしの足音で気付いたのか部屋から出てきた。


「おかえり、だけどなんで命日じゃないのに行ったんだ?」


お兄ちゃんはお母さんに聞こえないように小声で言った。


「ちょっと行きたくなってね」


あたしはニコッとして自分の部屋に戻った。