話してるうちにお兄ちゃんの家に着いたみたいで



「ここみたい」

はいっと手紙を返された。

「あ、ありがとうございました」

東京でもこんな優しい人っているんだなあ。

「俺近所に住んでるからもしかしたらまた会うかもね?」

「はい、そのときはまたよろしくお願いします」

彼はニコッと笑って手を振って闇に消えていった。





また、会えるといいな。





彼が見えなくなるまで見ていたら

「凛子ー」

聞き覚えのある声が聞こえて振り返る。

「お兄ちゃん!」

驚いているとお兄ちゃんはあたしのそばに来て抱きついて来た。

「お前遅いよー!心配しただろう!」



いやいや、あんた呑んでたんでしょ?



「お兄ちゃん遅くなるんじゃなかったの?」

トゲトゲしく言うと

「いや、やっぱり可愛い妹が上京してくるのに呑んでらんないじゃん」

クネクネして笑った。

あんた、相当酔ってるね…





.