彼は何も言わず手紙の住所を見て歩き出した。
「なんで遠くから来たってわかったんですか?」
そう問いかけると
「ん」
と短く返事をして指をさした。
「え?」
指さした先を見るとキャリーバック。
「あー…」
理解するのが少し遅れただけなのに
「面白いなあ~天然だな」
彼の笑顔は本当に優しさが溢れてるよう。
人見知りで男の人苦手だったけど
この人は何か違う。
「東京ってビルとかたくさんですね~」
「どこからきたわけ?」
「秋田から」
「へー!もっとなまってるイメージがあったよ」
「そうですか?」
必死にドラマとか見て勉強したんだもん。
.