偶然はまだ終わらなかった。




「いやーまさか同じクラスとはねー」

彼はまたあたしの前に現れた。

「すごい偶然だよね」

なんか偶然が重なりすぎて笑っちゃう。

「名前も前後、やばいね俺ら。運命共同体?」

ははっと彼は笑った。





運命共同体…か…





「ふふ、そうかも」

「ってかてか!名前まだ聞いてなかったね」



そういえば…

こんな偶然に同じ大学だなんて思ってなかったから気にしてなかった。



「えっと、木野凛子です」

自己紹介は昔から苦手。

「なんで敬語?俺は木崎貴大!貴大でいいから!凛子!」

貴大は人とすぐに打ち解ける天才なんだとあたしは思う。



気さくで優しくて…






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