それから二宮とはフレンドリーな関係になった。
明るく、看護師の評判も良い。そんな彼女にある日、いつも疑問に思っていることをきいてみた。
「二宮、誰か見舞いは来ないのか?」
その瞬間二宮の表情は曇り、そして静かに口をあけ、こう言った。
「家族は来ません…。
私に家族はいません。」
実に悲しげだった。
しかし、困った顔の僕をみて、咄嗟に二宮は笑顔にもどり
「大丈夫です☆
今は先生も看護師さんもいて凄く楽しいです。
だから、そんな顔、
しないで下さい…。」
二宮…嘘をつくなよ……。
本当は
来て欲しいんじゃないのか?
素直になれよ…
俺は二宮の気持ちが
知りたいんだ……。