あげは「ねぇ、」
自販機の方を向いている後ろ姿に声をかけた。
ここには様々な光りに包まれていてキラキラしてるのに、すごく静かであたしの声は微かに木霊した。
紫苑「…ん?」
__ガコンッ
暫しの沈黙が続いた。
紫苑はこちらを向かない。
きっと異様な空気を感じ取って振り向けないんだろう。
あげは「好……」
何言おうとしてんのよ、あたし。
咄嗟に口を手で覆った。
フロアの中心で光り輝くイルミネーションに酔わされた。
赤、ピンク、黄、オレンジ、緑、青、紫……
彩り鮮やかな光で舞い上がっちゃったんだ。
何考えてんだろ…
しっかりしろよ…
浮かれんなって…
必死に自分に言い聞かせた。